どうもほうふつです。
わたくしほうふつは、半年間イランに留学していたことがあります。
語学学校で現地言語のペルシア語を勉強していたのですが、授業で「イランの映画を見て、リスニングしたやつをグループで力を合わせて発表しよう!」みたいなのがありました。
グループで力を合わせるのが嫌、なんならむしろぼっちでいいという考えだったわたくしは、ほんとに嫌な気持ちになりました。
以下、グループのメンバーを紹介するぜェッッ!
1人目 エマニエル
ナイジェリア人の若者。頭脳明晰で、アフリカっぽい訛りはあるが文法力・会話力ともにクラスのトップクラス。いつも挙動がなんとなくふわふわしている。育ちがめっちゃ良さそうで、ふわふわしている。背が高い。
2人目 ペガー
イラン系のアメリカ人女性。20歳くらいで、信じられない美人。我がクラスには信じられない美人四天王(※僕と日本人の友だち二人中だけで)というのがあり、その一角を担う。片方の親がイラン出身なので、ふつうにペルシア語が出来る。出来すぎてむしろ学校にいる意味が分からない。
3人目 ミゲル
日系+ヒスパニック系なアメリカ人。50くらいの小さいおっさん。若い女が好き。若い女と話しているところしか記憶にない。イランに滞在している外交官の夫であり、たまたまついてきただけなのでペルシア語を学ぶ意欲がない。クラスの中で圧倒的に授業についていけてないが、何故か一番笑顔。
4人目 ほうふつ
日本人21歳男性以下略
この4人で分担し、イランの映画のセリフの聴き取りをしなければならなくなった。
正直、課題の映画は日本で見ていたので、そんなに難しくなかった。
問題は、やはりグループ活動という忌まわしい学習形態である。
1人でやらせろと、講師を心の中で脅迫していた。
案の定、グループでの話し合いはまったくもってうまくいかなかった。
それは、ペガーとミゲルが二人で英語で話しまくるからである。
てめーら何のためにこの学校来てんだよォォォォィィィィィ!!!
アメリカ帰れやァァァァィィィィィ!!!!
しかし、僕は不平を言えなかった。
英語が喋れないからだ。
英語喋れないコンプレックスみたいなのがあったせいで、アメリカ人たちを注意したりできなかったのだ(あと、ペガーが美人過ぎてなんか怖かった)。
そして一番悪いのはミゲルである。
彼はそもそも映画を見なかった。
彼がやっていたのは、美人のペガーをニタニタ見つめて満足することであった。
しかしすごいのは、ミゲルの社交力だ。
彼はペガー、というかクラスの女性たちに一切嫌われていなかった。
これだけ若い女性に話しかけまくるおっさんが嫌われない理由は何なのか、未だに分かっていない。
世の中のセクハラ親父たちは、ミゲルにレッスン料を払ってその秘訣を指南してもらうのがよい。
結局、頑張って課題に取り組んだのは僕とエマニエルのみであった。
エマニエルはゲイだった。
エマニエルは僕のことが大好きだったので、恐らく彼にとってミゲルとペガーがグループ活動を放棄していたのは幸いだった。
結局二人で頑張って、グループの発表を終えた。
発表中、ミゲルはひたすら何も言わずニタニタしていた。
そして数ヶ月後。
僕が帰国する時が来た。
最後の授業が終わり教室の外に出ると、ふわふわしたエマニエルが「ほうふつはもういなくなっちゃうんだね?寂しいよ……」と言ってきた。
「僕もだよ」と言うと、「辛くて心がギューッとなるよ……」と言いながらハグしてきた。
僕は、「なんて良いやつなんだエマニエルよ……」
と思った。
イランにいて、いわゆる異文化交流をたくさん体験したが、これが最後にして最も核心をついた異文化交流だったかもしれないと今は思っている。
黄色人種で女性がタイプの日本人男性が、黒人で男性がタイプのナイジェリア人男性のと、力を合わせて課題に取り組み、別れのハグをする。
これが、何か特別なことだろうか?
特別だったのは、そこまでの関係性を作れたことだけである。
つまり。異文化交流とはお互いの文化や血統、性別を理解し合うこと……ではないのではないか?
異文化交流とは、お互いの文化や血統、性別が、二人の中で盲目になっていることなのかもしれない。
なんだかよく分からないけど、僕は彼との最後の別れを思い出すとあたたかい気持ちになる。
……なんとも良い話をしてしまった。
このブログにしてはなんてセンチメンタルな話なんだ!
今回は良い話だったけど、以前イラン留学がらみでゴミみたいなルームメイトについての記事をあげたので、そのリンク貼っとくんで、お笑いのおかわりが必要な方は⇩から旅立ってください。
soukyokuvariety.hatenablog.com
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では。