どうもほうふつです。
今回は、前回まで二回にわたってお送りした「留学先のイランでスパイかもしれん奴らと住んでた話シリーズ」の最終回になります。
下記、前回までの記事です。
soukyokuvariety.hatenablog.com
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最終回を読んで頂く前に、パート1・2で登場したイラン留学中に住んでた寮のヤバい同居人2人をおさらいします。
一人目:コジコジ
イランに留学して初めて寮にたどり着いた時にイラン国内不在の友達の部屋に勝手に住みついていた妖怪(ドイツ人)。乞食(差別的表現かもしれないすみません)のようなみすぼらしい恰好をし、一方的に英語で矢継ぎ早に話しかけてくる。お前はペルシア語を学ぶつもりが一切ないのか。そして臭い。
二人目:ドレーク
強大な筋肉を持つ元軍人(ロシア人)。普通は靴で歩く共有スペースを裸足で歩きたいがために全同居人に床掃除を強制的に手伝わせる悪魔。人の一人や二人や殺ったことがあるとのうわさ(僕ら内で)。良かれと思ってマリファナをプレゼントしようとしてくる、イランでは死刑レベルの男。
今回は、この二人の間で起きた戦争を語ります。
イラン滞在中のある日のこと。
諸所のいきさつで、コジコジとドレークが二人部屋をシェアすることになりました。
コジコジもドレークもバカみたいに明るいテンションな人間に見えていたので、何の問題もなく二人の共同生活は続くと思っていました。
しかし、実際にはそうはならなかったのであった。
ドレークが、コジコジに料理全般を押し付けたのです。
買い出しから調理、皿洗いまでをコジコジがやらされていました。
正直、僕たちはコジコジがかなりかわいそうだと思った。
僕はコジコジのことが(臭いし)嫌いでしたが、さすがにドレークの暴君ぶりには引きました。
それまでは常にウザいくらいテンションの高かったコジコジが、料理を作らされるようになってからだんだん暗くなっていきました。
顔を曇らさせたまま食べた後の食器を洗うコジコジを見て、「これはひどいな」と思い……
で、さすがにコジコジに同情した僕や他の同居人たちは、ドレークに「コジコジに料理をさせるのはやめた方がいいのではないか」ということを伝えました。
するとドレークは、大丈夫大丈夫と返事し、満面の笑みを浮かべながらこう言いました。
「俺もたまに作る時あるから!(^^♪」
そういうことじゃねぇェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!!
それは料理を作らせる理由になってねえんだよ!!
ドレークは自分が超たまに料理を作ることでコジコジと平等になっていると本気で思っているようでした(曇りなき眼だった)。
恐らくドレークには、悪気すらなかったのです。
こいつはヤバい。クレイジー軍人だ。
んで、そのような「奴隷制」が続いて数週間。
コジコジが、ついにブチぎれました。
ドレークが留守の間に、彼の全ての荷物を二人部屋の外に出して部屋に籠城したのです。
荷物を持ち出していたコジコジは焦点の合ってないような目をして、アレレ~狂気に駆られちゃってるネ~とこちらが思う程怖いオーラを放っていました。
ドレークが寮に帰ると、自分の荷物が全てリビングの床に置かれているわ、部屋は立て籠もられていて入れないわという状況がそこにありました。
さすがのドレークも、これには動揺するのではないかと思っていました。
ブチぎれて部屋の鍵をぶっ壊して中に入り、ガリガリのルームメイト君を血祭りにあげるのではないかとさえ想像しました。
……しかし、我々はドレークという人間の凄まじさをまだ理解していなかった。
部屋に入れず、自分がルームメイトに追い出されたことを把握したドレークは……笑みを浮かべた。
そして言った。
「じゃあ俺の友達の女が住んでる高層マンションに引っ越すわ!明日荷物取りに来るから(^^♪」
マジかこいつ
何それ?
何その楽天?何その対応?
ロシア軍で精神を鍛えられすぎているのかな?
そして……ドレークという男に二言なし。
その発言の5秒後、彼は寮を出ていきました。
その一部始終を目撃した我々は、完全にあっけに取られていた。
その数分後、コジコジが部屋の外に出てきてめちゃくちゃ笑顔でした。
次の日、ドレークは寮に荷物を取りに来た。
全く動じていない表情をしていた。まさに怪物だ。
一応僕は、「いきなり引っ越すことになって大丈夫なの?」と声をかけた。
ドレークは、ニコッと笑ってこう言いました。
「俺はエロい女友達との家があるから大丈夫さ。」
……イランでスパイかもしれん奴らと住んでた話、これにて完結。