双極バラエティ

こんにちは。双極性障害Ⅱ型の33歳男が日常をくだらないテイストで綴っていくブログです。

スパイかもしれん奴らと住んでた話パート1(ヤバいドイツ人編)

どうもほうふつです。



僕は大学の時イランに留学していたのですが。


今考えたら異常な環境で当時生活してました。



例えば、日本のタクシーってふつう車体に穴あいてないじゃないですか。


テヘラン(首都)で乗ったタクシーは助手席の足元に直径20センチくらいの穴があいてたりしました。そこから明るい日差しが差し込んでました。足に当たる風が気持ち良かったことを覚えてます。




あと、通ってたテヘランの語学学校に北朝鮮の将軍家のぼっちゃんがいました。

さすがアメリカ指定のテロ支援国家同士、仲良しデスね!!




そんな感じね。少なくとも僕がテヘランにいた7年前はそうだった。





で、今回はそんなイラン異常回顧録の一つをここで語りたいと思います。




僕はテヘラン大学の学生寮に下宿してました。


アパートメントなのですが、1つの階に広めのキッチンとリビングが1つあり、それに加えて2人用の寝室が三つありました。つまり最大6人と同じ部屋で過ごしてたってことね。



色んな人と同居することになったのですが、今日はその中でもイチオシのヤバい2人のうちの1人を今回は紹介するぜ!!




まず、一人目。

通称「コジコジである。


コジコジというのは僕が付けたあだ名です。

めちゃくちゃ外見がみすぼらしかったので、乞食みたいだなと思い、でも乞食と呼ぶのはかわいそうなので乞食をかわいらしくアレンジして命名しました。(←不道徳過ぎる)
ちなみに本名は知らない。

いつも端切れのようなボロボロの白いTシャツだけを身にまとい、何故か僕より長いことイランにいるのに全くペルシア語が喋れず、マシンガンのような口さばきで超かん高い声の英語をたたみかけてくるドイツ人でした。嫌いでした。

背は180センチ以上あるのですが、よく見たら生の骨が見えるんじゃねぇかと思うくらいやせ細っており、金髪を背中の下の方まで続く長さで結ってました。
何故か後ろ髪を10センチ間隔でゴムで縛っており、さらに、頭髪が薄いためボリュームが全くなく、細長い金糸の束を背中までぶらぶら垂らしながら歩いてる瘦せ馬的な存在でした。



性格は、ふだんは明るい。

しかし明るすぎて、こちらが深刻に困っている時にも笑顔でアメリカのアニメに出てくる九官鳥のようなキンキン声で話しかけてくるのにはたまに殺意がわきました。


コジコジは、僕がイラン留学で最初に寮にたどりついた時に出会いました。

僕が日本で所属していた大学のクラスメート(T君)が僕より先にイランに留学していたのですが、僕がイランに来てすぐの時は彼は一時的に違う国に行ってました。

寮に来た当日は、僕がそれ以降住む寝室の鍵がまだ準備されていなかったため、そのクラスメートの寝室に最初の日だけ泊まらせてもらうことになっていたのです。


……が。


何故か、その日本でのクラスメートT君の寝室に勝手に住み着いていたのがそう……コジコジだ。


これが何を意味したか、皆さまお分かりだろうか。


真夜中に寮にたどり着き、心身ともに疲れてへとへとになっているところ、やたら笑顔で英語で矢継ぎ早に話しかけてくる乞食スタイルの九官鳥と一夜を共にしないといけないということである。



……僕はこれをイラン生活の最初の洗礼だと思った。


そうか、異国の地、しかもイランのようなところで毎日を過ごしていくということはかくもヤバい環境に順応しかくもヤバい奴らと融和しかくも高度な試練を突破していかなければならないのか!


当時そう思ったが、正直今考えたら、


このコジコジワンナイト事変」ほどの逆境はその先にもなかったと言える。



寝ている間に荷物パクられたらどうしようとか、刺されたらどうしようとか、そういうことを考えるとめちゃくちゃ疲れているはずなのに全然眠れないのである。


しかもくさい。


異様なほどくさい。


後に知ることになるが、コジコジはほとんどシャワーを浴びないタイプの人間であり、イランで会ったどの人間よりもくさかったのである。




一夜withコジコジを無事に終え、次の日から隣の寝室に僕は移った。

何故かコジコジは僕のクラスメートT君がイランに帰ってくるまで彼の寝室に住み続けた。




で。



日本でのクラスメート(後に僕と寝室をシェアした新しい登場人物F君)がある日こう言いました。



コジコジって(ドイツのイランに対する)スパイなんじゃね?」


と。




僕は十分考えられると思いました。



何故なら、コジコジは自分が何故イランにいるのか全く説明しなかったからです。



そもそも、留学目的でイランに長期滞在するためには学生ビザが必要です。


そして、彼はそのビザは一応持っていたと思います。じゃないと不法滞在者になっちゃうので。


しかし彼は、語学学校やら大学やらで勉強していなかったのです。


僕たちが学校に行っている間、コジコジがどんな一日を過ごしているかは全く分からなかったし、今も知りません。


なのに何か月もイランに住み続けていたのは謎です。留学を装って何か別の目的で滞在しているとしか考えられませんでした。


確証はもちろんありませんが、僕とルームメイトのF君の間で「コジコジスパイ説」が深まっていきました。





……しかし。




この話はそれだけではありません。




同じ部屋に住んでいた人間の中には、実はさらにもう一人、「こいつスパイなんじゃね?」という疑惑の対象となった奴がいたのでした……




次回、「スパイかもしれん奴らと住んでた話パート2(ヤバいロシア人編)」、乞うご期待!(まだ続きあんのか)