双極バラエティ

こんにちは。双極性障害Ⅱ型の33歳男が日常をくだらないテイストで綴っていくブログです。

プライド

このブログをいつも読んで下さっている方なら大体ご存知だと思うのですが、私は高校2年生の時に不登校を経験しました。

 

 

理由は、うつになったからです。より正確には、双極性障害のうつ症状が発症したからです。

 

根源的な原因は、恐らくクラスに話す友達がいなくて辛かったからなのだと思いますが、よく分かりません。元々そういう遺伝子を持っていたのかもしれないです。

 

 

 

4か月くらい不登校の期間があったのですが、途中から所属していた吹奏楽部には行くようになりました。

 

で、文化祭で吹奏楽部が演奏をする機会がありまして。

 

結構嫌でした。何故って、クラスの人たちもその演奏を見ることになるからです。

 

 

「こいつ、授業には来ないくせに自分が好きな部活だけはやるのか」と思われるのが、嫌でした。

 

 

 

しかも、私その時ドラム担当で、ポルノグラフィティの曲を演奏することになっていたのですね。

 

めちゃめちゃ目立つじゃないですか、吹奏楽でドラムって。正直辛かったよ。

 

 

 

 

それで、文化祭の日になりまして。

 

 

逃げ出すわけにはいかないので、その日はクラスに行きました。

 

そして、ステージで演奏をしました。

 

 

 

その演奏後、クラスが一緒の、普段は全く話すことがない男子が一人、私のところにきて、こう言いました。

 

 

「ドラムかっこよかった!

 

よく、学校に来たな、頑張ったな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉が、たまらなく悔しかった。

 

 

 

 

 

 

学校に来ただけなのに、

 

好きな部活を、楽器をやっただけなのに、

 

「頑張った」とされる自分が、みじめで、哀れで、どうしようもなかった。

 

 

そしてその男子が、屈託のない笑顔で、心からそう思っているという事実が言葉から伝わってきたことは、ざっくり私をえぐりました。

 

 

 

その子の中で私はいつのまにか、学校に来てなにかをするだけで、頑張ったとみなされる人間になっていた。

 

 

確かに、私はほとんど学校に行けなかった。今考えると、あの文化祭に出られたことは自分でもよく頑張ったと思う。そして彼は、私を純粋な気持ちから褒めてくれたのだと思う。

 

しかし、その言葉は確かに刺さった。もちろん、良い方じゃない意味で。

 

 

 

 

俺は、彼の中でそこまで「弱い」のか...と思いました。

 

 

 

 

 

 

 

当時の私は、広い世界を知りませんでした。

 

学校に行くということはある種、選択肢でしかない。

今ならそう考えることができるけど、とにかく私の世界はせまかった。不登校しながらも、学校に行くのは当たり前だという世界に生きていた。だからこそ不登校が辛かったのです。

 

 

当たり前のことを当たり前にやっただけで、頑張ったと言われてしまったその時が、とにかく悔しくて、その感情だけで、頭の中が溢れかえりました。

 

 

プライド、なんですよね。

 

学校に行けない私にも、プライドがあったんです。

 

 

 

 

 

そして、こういったことは、その後の高校生活で何度も経験しました。

 

学校に行けなくなった期間があったという理由で、それまで特に仲良くしていなかった子が急ににこやかに話しかけてきたり。

 

全然仲良くなかったはずのに、教室移動一緒に行こうぜ、と言ってきたり。

 

 

 

 

俺は、かわいそうじゃない。

 

かわいそうじゃないんだ。

なのに、なんであんたたちは、弱者を優しさで包むようなことをしてくるんだ。

その目で俺を見るな。心からの笑顔で話しかけてくるな。

 

何度も何度も何度も思いました。

 

 

 

 

 

そして、今考えても、これは闇の深いテーマだと思います。

 

悪気なく、不登校の子を思いやってあげることが、無視されるより100倍プライドを傷つけることがあるのです。

 

 

じゃあ、どう接すればいいのか。

 

 

それが、私には分かりません。

 

その時の自分がして欲しかったことが、何なのか、分からない。

 

 

 

 

答えはない気がします。