志村けんが亡くなったのは、自分でも驚くほどショッキングです。
今まで約30年生きてきて、それなりに死を見てきました。
芸能人が死ぬたびに、どうして芸能人の死だけがこれほど重く報道されるのだろう、最貧国や紛争の地で着々と人々が死んでいるのにニュースでは淡々と数だけで処理されるのは何故だ、と思ってた。
どうして彼らの死は重く受け止められないのに有名な人の死をみんなは悼むのだろうと思ってた。命はおしなべて命なのに、と。
でも、実際に今僕は志村けんの死を目の当たりにして、混乱している。
つまり言うと、僕も命は等しくないという心理を持っているということになる。
別にファンって訳じゃないし、特にめちゃくちゃ面白いと思ったこともない。
しかしそれでも現実として、僕は混乱している。
僕にとって、自分でも知らなかったけど、それだけの存在だったのだなと思い知らされている。
彼の死は、僕の中に受け入れがたい現実をもたらしている。
やはり、命は等しくない。
少なくとも、僕はそう思う側の人間なんだと気付かされた。
取るにたらない数字だけで済まされる死と、そうでない死はどうしてもあるのだと思い知らされた。
今もこの地球上では、数秒ごとに命が失われている。
同じ死である。
しかし、僕の中では等しくなかった。
それが現実だった。
特に気の利いたことは言えません。
ただただご冥福をお祈りしたい。