どうもほうふつです。
昨日、英検1級の試験を受けました。
ほぼ確実に受かっていない訳ですが、前回よりは手ごたえがあったので、まあ良し、って感じです。
次回か、その次の回くらいには一次試験はパスできるんじゃないかな~とか思ったり思わなかったりしてます。
で、その英検1級の読解問題で、僕的に非常に興味深い文章があったので、今回はそれについて書こうと思います。
2017年、カナダで、ある人権についての法律が修正されたらしいです。
その内容は、ジェンダーの分野における人権保護についての条文を含むものでした。
具体的に言うと、トランスジェンダーの人たちが、自分たちが呼ばれるときの代名詞(文法的な意味で)を生来の性別とは違うふうにまわりの人たちに呼んでもらう権利を保障されることについての条文です。
分かりにくいと思いますが、例をあげると、
生まれた時点での性別が女性の人がいるとします。
その人は、恐らくほとんどの人たちに"she"という代名詞を使って呼び示されていたことでしょう。
しかし、成長するにつれて、(表現が適切ではないかもしれませんが)心の中は男性だと思うようになりました。
その人にとっては”she”と呼ばれるのは嫌です。
そこで、今回の法律修正により、そういった人たちが望めばまわりの人たちに"she"とは言わないように推奨されることが決定された、というような話です(あくまでも例です)。
ちなみに、she以外にどう呼ばれるかというと、"they"とかだったりするらしいです。一人でもこのような複数形になるのかはよく分かりませんでしたが……
ここまでは特に何とも思わなかったのですが、僕が興味を持ったのはここからです。
この法律に反対しているある学者がいます。
その人が反対している理由は、
「表現の自由をおかす」
というものです。
つまりその学者は、自分たちが誰か他人を呼び示すとき、固定の呼び方を強制されるのは自分たちの表現の自由をおかす、人権侵害であるということを主張しているのです。
例えば、自分の生徒でトランスジェンダーの人を呼び示す際、生来の性別じゃない呼び方を強いられるのはおかしい、自由に呼べるべきである、ということを言っています。
この文章を読んだ時、「あ、そういう考え方もあるんだ……」と思いました。
その考え方が良いか悪いかは別として、僕の中には全くそのような主張があることの想定がなかったのです。
仮に僕がカナダ人でその法律が適用される対象だったとすると、絶対にトランスジェンダーの人自身が使って欲しい代名詞でその人を呼びます。
だって、別に大した負担じゃないじゃないですか。
しかし、学者というのはそんな単純な思考を超えた思考をしているようです。
今回興味深かったのは、ジェンダーうんぬんというよりも、この世には深く、きめ細かいところまで思考している人がいるんだなということでした。
僕は比較的短絡的な思考しかしてなかったのだな……と思いました。
まあ、ぶっちゃけどちらが良いかと尋ねられたら「トランスジェンダーの人が呼ばれたい代名詞使えば良くね?」と僕は結局答えるのですが、
まさか表現の自由まで持ち出してくる人がいるとは想定してなかったのです(ひょっとしたら僕が短絡的なだけで多くの人はそういった思考に行きつくのかもしれませんが)。
なんというか、少し深いところまで物事について考えられる人間になりたいなと思いました。
以上、英検試験の問題の感想でした。
ちなみにこの問題は解くのが難しくて、予定の時間配分の倍かかりました。
トランスジェンダーがどうのとかそういう話じゃなくて、この小難しい文章をセレクトしてきた英検の試験作成係の人を五寸釘で呪いたいなと思いました。
何でもなーい♪