双極バラエティ

こんにちは。双極性障害Ⅱ型の33歳男が日常をくだらないテイストで綴っていくブログです。

はじめての職業体験(無職編)

一日職業体験レポート

△△中学校 2年〇組 ××× ××子

 

体験した職業:無職

 

上記職業を選択した理由:担任が「無職とは、職がないという職業である」というばかに哲学なことを言い出し、職業体験の候補に入れたから。

そして、私のくじ運が悪かったから。

 

 

 

(以下、実際に行ったトークを交えつつ考察を行う。)

 

 

 

私「こんにちは。本日は職業体験の機会を頂きありがとうございます。」

 

ほうふつ(ブログ筆者。以下、ほ)「いえ、なんか...すみません。」

 

私「? どういう意味ですか?」

 

ほ「いや、無職の体験なんて嫌だろうなと思って。」

 

私「そんなことは...」

 

ほ「僕があなたの立場だったら絶対嫌だと思うんです。他の生徒さんは小学校の先生とか、ためになりそうな体験をするんでしょう?はじめに言っときますが、僕から得られることなんて何もないですよ。」

 

私「いえ、必ず学ぶものはあると思いますので。」

 

ほ「それに僕、今無職ですけど、2か月前までは働いてましたから。長く無職が続いている人からは苦労している分学べることも多いかもしれませんが、僕、正直言って無職として半端ものです。申し訳ないです...」

 

 

考察1

今回職業体験をさせて頂いたほうふつ氏は、なぜかご自身の無職としてのレベルに自信を持っていないようだった。

私は「もっと自信を持って下さい」などと励ますかどうか迷ったが、その言葉は「あなたは自信を持ってご自身を無職と言っていい人間です」という皮肉だととられる可能性が高いことに気づき、その場では無言を貫いた。

この体験は、「社会では励ましが不正解になる場面がある」ということを示す例だと言えるのではないだろうか。

 

 

 

私「それで、本日はどのようなことをさせてもらえるのでしょうか?」

 

ほ「僕が普段やっていることですよね...活動らしい活動と言えば、ハロワに行くくらいですかね。」

 

私「ハローワークのことですね。でも、私は中学2年生なんですが行ってもいいのですか?」

 

ほ「分かりません。」

 

私「...では、他に何か体験できることありますか?」

 

ほ「なんだろう...まあ、仕事とは言えないですが、今実家に住まわせてもらってるから、掃除したり洗濯したりお風呂を洗ったりはしてますね。」

 

私「な、なるほど。」

 

ほ「でもこれって意外と大事なことなんですよ。特にうちの場合、『大学出たら一人で暮らしていけ』というのが暗黙のルールになっているのに、仕事辞めて実家に戻ってきてるんで。親のすねをかじるのにもマナーがあるのです。」

 

私「分かりました。では、今日私はほうふつさんの家の掃除などをすればいいんですか?」

 

ほ「論理的に考えるとそうなるんですけど、それをやらせちゃうと僕があなたの親御さんや学校、さらには最悪の場合マスコミなどから叩かれまくるので、だめですね。」

 

私「...」

 

 

考察2

職業体験とはいうが、実際には中学生に任せられない仕事が多く、体験できることはかなり限定されると言える。

無職体験の場合さらにその傾向が強く、ほうふつ氏の仕事に手助けを加えることは結果的に彼の社会的立場を致命的なものにする。

残念ながら、実家暮らしの無職という職業を実体験することは不可能だということが、会って数分の会話で判明してしまった。

 

 

 

 

 

ほ「すみません、せっかく来てもらったのに何もさせてあげられなくて。」

 

私「いえ、何もかも勉強ですから。」

 

ほ「代わりと言ってはなんですが、僕の病気の話でもちょっと聞いて帰りますか?」

 

私「? 何という病気ですか?」

 

ほ「双極性感情障害っていう病気なんですけど...ご存じないですか?簡単に説明すると、躁とうつを繰り返す病気で...実際はそんな簡単なもんじゃないんですが。」

 

私「なんとなくは知ってますが...」

 

ほ「実は、無職になったのもその病気が関係しているんです。」

 

私「こう言うと失礼かもしれませんが、ほうふつさんは今、躁でもうつでもないように見えるのですが、今も病気なんですよね?」

 

ほ「僕は薬で大分コントロールできるようになってきたので、割と安定しているんです。ただし、薬を飲まなくなるとすぐ体調が悪くなるし、ちゃんと飲んでいてもたまに悪くなります。実は、昨日はうつだったんです。」

 

私「そうだったんですね。」

 

ほ「でも自分に合う薬が見つかっているだけ僕は良い方だと思ってます。今飲んでいる薬を見つけるまで8年くらいかかりました。というか、双極性障害であることすら判明するのに4年くらいかかったかな。それでも、自分がなぜ苦しんでいるのかすら分からない状態から抜けられただけで僕はラッキーなのかもしれないです。」

 

私「...」

 

ほ「職業体験から話がずれてしまってすみません。ていうか、体験も何もなくて申し訳ないです。」

 

 

 

レポートは以上。

 

 

 

 

 

本記事あとがき(興味ある方だけでも読んで頂ければ幸いです)

当初は中学生の「考察3」まで書こうと思ったのですが、双極性障害の話を聞いた中学生がどんなことを考えるのか、何を思うのか、私には想像がつかなくて、というか、想像したところで双極性障害側の私がそれを書くというのはやらせ、自演でしかないため、書けませんでした。

そもそも当初は最初から最後までおふざけでいこうと思っていたのですが、書いているうちに双極のことを入れない訳にはいかないような気がして、読んでもらう側からすると文章構成が変な感じかもしれません。

そういう気がしたのは、多分双極性障害と仕事というテーマが今自分の頭の中にこびりついているからだと思います。

 

読んで頂いてありがとうございました!