メソポタミア文明、というのがありますね。諸説ありますが、最も古い文明の一つと言われています。
いつメソポタミア文明が始まったのか、正確なことは恐らくまだ分かっていないと思うのですが、少なくとも5000年以上前であることは間違いなさそうです。
メソポタミア文明が栄えた地域というのは、現在のイラクに位置します。
シュメール人、という民族が始めたらしいです。
余談も余談なんですが、
この間読んだ本によると、ワインという飲み物を農業的、計画的に生産することを始めたのは、このシュメール人だという説があるそうです。(参考:『ワインの世界史』(古賀守・中公新書))
現在のイラクはイスラーム教の人が多いので、大っぴらにアルコールをつくることはしてないだろうけど、あの辺の気候はよく乾燥していることもあり、ワイン造りにとても適したぶどうが育つらしいです。絶対今でも自分で作って飲んでる人いるよね笑
で、この古代メソポタミアが起こった地域を含む、現在「イラク」とされている国の地域は、これまでの歴史の中で本当に色んな国の領土になるのですね。
古代ペルシア帝国に含められ、モンゴル系の国の一部になり、オスマン帝国に領土化され。
文明・文化も発達したけど、その分戦争も多かった地域といえるでしょう。
で、今のイラクっていう国の原型が誕生することは、第一次世界大戦中、サイクス・ピコ協定っていう、イギリスとフランスの秘密協定によって実質的には決められました。これは、戦後のアラビア半島の領土をイギリスとフランスでどう分け合うかを秘密裏に決める協定でした。
現在のイラクの地域を含むアラビア半島はユダヤ教徒にとっても聖地とされる場所だったけど、アラブの人たちにとっても大事な土地でした。
イギリス・フランスは第一次世界大戦が終わりアラビア半島を支配するオスマン帝国を追い出したら、ユダヤ人、アラブ人にその地を与える、という約束を「それぞれに」しました。
しかし、実際にはサイクス・ピコ協定の通りに、アラブの王家を通して、イギリスが実質的に委任統治をするイラクっていう国ができちゃったんだよね。ざっくりいうと、このことが、イラクという国での現在に至るまで終わらない戦争の始まりだったと言っても間違いではないと思います。
特に今回は言いたいことはあまりないんだけど、まあ、この現在イラクとされている周辺地域は、文明が始まったとされる場所なんだけど、ある種最も文明から遠い場所、と私は思っています。
ほんとうはここで「文明とは何か」っていう話にならざるを得ないんだけど、それが何であれ、文明っていうのは本来人を幸せにするためにあると思うのですよ。
戦争戦争、なんですよね。この地域って。
もちろん、素晴らしい建築物がたくさん残っていたり、文化が豊かな場所でもあるのですが、
地政学的にも宗教的にも、また現代においては原油などの資源が豊富という点においても、戦争が起きる条件がそろいまくってる場所なんですよね。
はるかなるメソポタミア文明、それを作ったシュメール人は、自分たちがつくりあげた文明というものが、遠い未来に自分たちの住む場所、そこに住む人々にこんなに辛い試練を与えることなんて思いもしなかっただろうな、とか考えてしまいます。
以上、歴史ロマンに私がひたすら酔いまくる回、でした。
こーゆー回も、あるよ。何でもありだからね、当ブログ。